うるう秒の対応
- 日本標準時のうるう秒対応
- 標準電波のうるう秒対応
- テレホンJJY(アナログ電話回線を利用した自動時刻合わせ)のうるう秒対応
- ネットワ−クによる時刻情報提供サービス(NTPサ−ビス)のうるう秒対応
- タイムビジネス時刻情報提供サ−ビスのうるう秒対応
- うるう秒挿入後の正確な時刻はどのようにして知ることができるか?
- GPSのうるう秒対応 (USNO情報の翻訳)
日本標準時のうるう秒対応
うるう秒の挿入は、日本時間2006年1月1日午前9時の直前に1秒が挿入されます。日本時間8時59分59秒、8時59分60秒、そして9時00分00秒と続きます。うるう秒は、世界同時に挿入されます。世界の標準時 協定世界時UTCでは、2006年1月1日0時直前の2005年12月31日23時59分59秒、23時59分60秒、2006年1月1日0時0分0秒と刻みます。うるう秒挿入時のときのみに60秒という珍しい時刻がカウントされます。
標準電波のうるう秒対応
標準電波(コールサイン:JJY)は、時間と周波数の標準、並びに協定世界時(UTC)に基づく日本標準時(JST)を広く国の内外にお知らせするために、情報通信研究機構で運用している電波です。
標準電波信号におけるうるう秒対応は、次のようになります。
(1)事前お知らせ
2005年12月2日9時(日本時間)より、タイムコード中のうるう秒情報ビットLS1、LS2がともに2進の"1"となります。この情報は2006年1月1日9時に解除(ともに2進の"0"となります)されるまで続きます。
(2)うるう秒挿入
うるう秒の挿入は、ポジションマーカP0が通常59秒の立ち上がりに対応するところ、60秒の立ち上がりに対応します。この時、59秒は2進の"0"となります。このことにより、60秒に相当する1秒を信号に含めたことになります。
なお、多くの電波時計では、1日1回程度しか時刻調整しないため、次の自動受信が行われるまで1秒ずれた状態になります。9時過ぎに手動で強制受信をしていただければ、うるう秒が挿入された正確な時刻に合わせることができます。
テレホンJJY(アナログ電話回線を利用した自動時刻合わせ)のうるう秒対応
NICTが実施しているアナログ電話回線を利用して時刻情報データを高精度に提供するサービスです。現在NHK、民放の放送局等の業務時計の時刻合わせや、電話モデムと専用ソフトを導入された一般利用者などに利用されています。
テレホンJJYにおけるうるう秒対応は、次のようになります。
(1)事前お知らせ
2005年12月1日9時過ぎ(日本時間)の作業終了後より、LEAPSECコマンドの応答でうるう秒実施情報("+1"が返されます)が得られます。この情報は2006年1月1日9時に解除(" 0"となります)されるまで続きます。
(2)うるう秒挿入
60秒が正しくカウントされます。
ネットワ−クによる時刻情報提供サービス(NTPサ−ビス)のうるう秒対応
ネットワーク接続された計算機やIT端末の時刻合わせに利用できるように、NTP(Network Time Protocol)を利用したNICTが実施している時刻情報提供サービスです。現在、インターネット利用者等の時刻合わせを実施しているNTPサービス事業者向けに、専用回線を用いたNTPサービスを実施しています。
このサービスにおけるうるう秒対応は、次のようになります。(*1)
(1)事前のおしらせ
うるう秒実施予告情報としてNTPパケットの中のLIビット(Leap Indicator)が前日(2005年12月31日)より"01"となります。この情報はうるう秒実施時の2006年1月1日9時(日本時間)に解除されます。
(2)うるう秒挿入
NTPの取り扱う時刻は1900年1月1日を起点とした時系ですが、過去のうるう秒を積算していません。積算秒数をお知らせします。日本標準時で1月1日8時59分60秒(UTCでは12月31日23時59分60秒)と9時0分0秒(UTCでは1月1日0時0分0秒)は9時0分0秒に相当する同じ積算秒数をカウントします。すなわち、60秒と0秒は、同じ時刻を2度カウントすることになります。
以下に、今回のうるう秒挿入時における、NTP時刻の積算秒数及び、UNIX時刻の積算秒数を以下に示します。
UTC JST TAI - UTC Leap Indicator NTP Time UNIX Time(*2) 2005/12/30
23:59:592005/12/31
08::59:5932 00 3344975999 1135987199 2005/12/31
00:00:002005/12/31
09:00:0032 01 3344976000 1135987200 --- 2005/12/31
23:59:592006/01/01
08::59:5932 01 3345062399 1136073599 2005/12/31
23:59:602006/01/01
08::59:6032 01 3345062400 1136073600 2006/01/01
00:00:002006/01/01
09:00:0033 00 3345062400 1136073600 2006/01/01
00:00:012006/01/01
09:00:0133 00 3345062401 1136073601
*1 NTPサービス事業者におけるうるう秒対応につきましては、各事業者にお問い合わせください。
*2 TAI ライブラリを利用しない場合(POSIX 仕様)
タイムビジネス時刻情報提供サ−ビスのうるう秒対応
近年電子商取引、電子決済等において、信頼できる時刻証明情報(タイムスタンプ)が必要になってきています。この信頼できるタイムスタンプを提供するサービス事業(タイムビジネス)に対して、信頼できる時刻情報として、NICTは、GPS衛星やテレホンJJY、NTP等を用いて日本標準時をタイムビジネス事業者に提供しています。また、うるう秒情報も公開情報としてお知らせしています。
なお、タイムビジネスに関してのうるう秒対応に関して、各事業者でNICTからの時刻をもとに時刻管理をしていますので、タイムビジネス事業者にお問い合わせください。
うるう秒挿入後の正確な時刻はどのようにして知ることができるか?
電波時計で9時過ぎに強制受信してください。また、インターネットのNTP時刻サービス、放送局の時報や時刻お知らせサービス、GPS時計、携帯電話の時刻サービス、アナログ電話回線を使った時刻サービスなど、いろいろなサービスがありますので、これらをお使いになって、正確な時刻を確認ください。なお、複数のサービスでの確認をされることをお勧めします。
GPSのうるう秒対応(USNO情報の翻訳)
<原文 http://maia.usno.navy.mil/ser7/series14.txt>
U.S. NAVAL OBSERVATORY(米国海軍天文台)
WASHINGTON, D.C. 20392-5420July 27, 2005
No. 69TIME SERVICE ANNOUNCEMENT SERIES 14
(タイムサービスの告知 シリーズ 14)
UTC TIME STEP
(UTCタイムステップ)
1.国際地球回転事業(IERS International Earth Rotation Service)は、協定世界時(UTC)の2005/12/31に、うるう秒を入れることを告知しました。
IERSのURL
http://hpiers.obspm.fr/eop-pc/
2.協定世界時(UTC)は 以下のように1秒挿入されます。
2005 December 31 23h 59m 59s 2005 December 31 23h 59m 60s 2006 January 01 0h 0m 0s
3.協定世界時(UTC)と国際原子時(TAI)との関係は、
1999/1/1〜2006/1/1 UTC 0hまではTAI-UTC= +32sec
2006/1/1 UTC 0h 〜次のうるう秒の適用までは、TAI-UTC= +33sec
となります。
4.UT1-UTCの現在の値と予測値については、IERSの公報Aに記されています。
IERS Bulletin AのURL
http://maia.usno.navy.mil/
http://maia.usno.navy.mil/bulla-data.html
5.UTCとUTCに基づく時間の尺度は、すべてこの修正の影響を受けます。しかし、LORAN-CとGPSタイムは実質的には修正されません。LORAN-Cの同時性は時刻サービスのWebページから時刻あわせが可能です。GPSに関しては、うるう秒の補正は衛星からの航法メッセージのサブフレームの4ページ18の部分が次のように変更になります。
うるう秒前
GPS-UTC = +13s (GPSタイムはUTCより13秒進んでいます)
うるう秒後
GPS-UTC = +14s (GPSタイムはUTCより14秒進みます)