日本標準時グループの業務紹介
■協定世界時と日本標準時との時刻比較
NICTは、日本標準時(JST)を生成する協定世界時UTC (NICT)と協定世界時 (UTC)との差が±10ナノ秒(1ナノ秒は10億分の1秒)以内を目標として調整し管理しています。その調整を行うためには、GPS衛星などGNSSを用いた時刻比較方式と静止衛星を用いた時刻比較方式を使用し、高精度な国際時刻比較を行っています。
各国の標準時を扱う機関は、時刻比較結果を基にして個々の原子時計の時刻情報を国際度量衡局(BIPM)に報告しています。BIPMは、各国から収集したデータを基にTAIとUTCの決定をしています。
(写真左)衛星双方向時刻比較方式
(写真右)GPS衛星を用いた時刻比較方式
(写真)衛星双方向 · GPS時刻比較アンテナ群
■国際時刻比較
国際間の正確な時刻比較を行う為、NICTは、2つの方式を使っています。GNSSを用いた時刻比較方式は、原子時計を搭載したGPS衛星などの航行衛星から送出される時刻情報と原子時計を保有する各機関のUTCとの時刻差を求める事が可能です。各機関のUTCとの比較は、衛星の時刻情報を仲介にして計算で求めることができます。この時刻比較方式は、数億分の1秒から数百億分の1秒の精度で時刻比較を行うことが可能です。
静止衛星を用いた時刻比較方式は、商用の通信衛星を用い電波に乗せた時刻情報を双方で送りあい、機関間の時刻差を直接計算します。この時刻比較方式は数十億分の1秒から数百億分の1秒の精度で時刻比較を行うことが可能です。
現在では、両方式のデータを使いより精度の高い時刻比較を行っています。
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