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Q&A及び資料・データ

標準時・周波数標準のQ&A

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周波数と時刻に関するQ&A

ユーザの皆さんから寄せられた質問等への回答集です。


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Q 安定な安価な発信器はありませんか?
発信周波数の安定な発信器を探しているのですが、安価なものがなかなかありません。
安い例では、GPSを使った周波数標準器で
10MHzの出力が 1×10-12
1pps     0.1μsec
と、なっておりますが、
他に安価な発信器、または良い方法がありますでしょうか。
1日で、約0.5マイクロ秒以下の位相のずれがわかるものが必要です。
TVのカラーバーストによるものは放送終了後測定ができなくなり、次の日の位相との関係がわかりにくいと思いまして、考えておりません。 しかし、位相の関係がわかる方法があれば大変安上がりであると思います。

 1日で0.5マイクロ秒の位相差ですと、安定度<5.8×10-12/日となりますので、かなり高安定な標準器が必要です。
 標準セシウムビーム管のもので、ようやくこれより1桁上となります。
 GPSを利用した周波数標準器はロック時には1×10-12のスペックであっても、アンロック時は1×10-10/日程度となるものもありますので注意が必要です。
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Q 国際原子時って何ですか?
国際原子時とはいったい何でしょうか?

 時系には世界時というのと原子時というものがあります。
 世界時は天文観測に基づき、グリニッジにおける平均太陽角に12時を加えたもので表されます。
 原子時はセシウム原子の振動数を基準にした時系です。
 世界時に比べ、原子時は非常に安定したものであることから、秒の長さの基準に原子時が採用されました。
 国際原子時は1958年1月1日0時0分0秒の世界時を原点としてスタートした原子時です。
 しかし、地球の回転がふらふらしているため、国際原子時と世界時がどんどん離れていってしまい、天文観測や日常生活にも支障をきたすことになってきてしまいます。このため、原子時と世界時が0.9秒以上離れないよう、協定世界時が定められています。
 協定世界時は、1秒の長さは原子時と同じです。0.9秒以上離れる前に、うるう秒という操作を行います。
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Q 国際原子時の資料は?
国際原子時等に関する資料及び文献は入手可能でしょうか?

  いろいろありますが、2点紹介しておきます。
  「周波数と時間」 電子情報通信学会発行
           取次販売所(株)コロナ社
   「天体の位置計算」 長沢 工 著
           (株)地人書館
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Q うるう秒の実施は?
次のうるう秒はいつ実施されるのでしょうか?

  うるう秒実施一覧をご覧ください。
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Q うるう秒の実施はいつ決まるの?
うるう秒実施日は実施される日のどの位前に解るのでしょうか?

 うるう秒の実施は国際機関のIERS(国際地球回転事業)が通知をします。日本ではこれに基づき官報公告します。
 うるう秒は、地球回転の各種計測データを基に将来の予測をし、実施が決定されますが、どれくらい前に決めるかの 明確なきまりは無いようです。ただし、CCIRの勧告460−2によれば、少なくとも8週間前に告示することになっています。
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Q うるう秒の補正の記録は?
今までのうるう秒の補正の記録を教えてください。
例えば、「yy年mm月dd日にうるう秒補正(+1秒)を実施」みたいに、過去のデータが知りたいのですが。

うるう秒実施一覧をご覧ください。
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Q 協定世界時の開始は?
うるう秒の実施一覧の中で、1972年1月1日の協定の協定世界世界時−国際原子時が−10秒になっている理由を教えてください。 又、1972年1月1日からになっている理由も合わせて教えてください。

  歴史的な話になりますが、時刻は太陽の動き(地球の自転)を基準として昔は1日を表していました。この地球自転による時刻を 世界時UTと称します。世界時UTは、グリニッジにおける平均太陽時角を元に決められます。地球の自転はよく見るとふらふらしている ため、1秒の長さがその時々で変わってしまい不便を生じます。このことからもっと安定な基準時計として原子時計が使われるように なりました。
 現在秒の長さの基準として使われている国際原子時TAは、セシウム原子の振動数を元にしています。しかし、TAをそのまま時刻として 使っていると地球自転の変動で極端に言えば日中が夜中の時刻にもなりかねません。そこで、協定世界時UTCは1秒の長さはTAと同じもの を使い、世界時UTとの差が0.9秒を超えないようにうるう秒という操作を行います。
 国際原子時TAの原点は1958年1月1日0時0分0秒に世界時UT(正確にはUTを補正したUT2)と合わせています。
 現在の協定世界時UTCがスタートしたのは1972年1月1日で、このとき既に世界時UTと国際原子時TAの差は10秒に近づいており 特別調整で10秒差に設定されました。また、うるう秒の調整時期は1月1日または(及び)7月1日(の直前)と決められ、 1972年7月1日に第1回目のうるう秒調整が実施されました。

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Q 標準時の構成は?
「日本の標準時」といった場合、「年月日と時刻」というように、 「年月日」もしくは、「月日」がいるのでしょうか。

 もともと「時」または「時刻」の意味するものは、1日を分割したものですので、そこには日付に関する情報は含まれません。
 現在の時刻の生成は原子時を基にしており、1秒の長さを定めて、その積算によって時刻を作っています。従って、時刻の桁上がりが 日にちとなるように日付も含めた情報で構成されています。
 当機構が標準電波で通報している「日本標準時」は、時刻とともに日付(西暦下2桁と1月1日からの通算日)の情報を含めて送信して おります。
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Q タイムコード定義は?
毎時15分、45分に送出される呼び出し符号のタイムコード定義は、どのようになっていますか?

  当プロジェクトのWebページ内にあります、「標準電波の出し方について」https://jjy.nict.go.jp/jjy/trans/index.htmlの 「タイムコード体系」に図示をしておりますが、タイムコードに関しては通常年情報が送られる部分において、毎時15分及び45分のみ「JJ Y」のモールス符号2回を送出しております。
 具体的には、毎時15分40秒〜49秒未満及び毎時45分40秒〜49秒未満の期間、タイムコードの送出を行わず、モールス(0−100%の振幅変調)を送出します。
 尚、モールス符号の速度に関しての定義はありません。また、呼出符号送出はタイムコードではありませんので、「タイムコードの定義」に含まれていません。
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Q 時間の国家標準
時間に関して国家標準は存在するのでしょうか。

  時間(秒)の逆数は周波数であり、国家標準(周波数標準器)につきましては国内では、 当機構及び産業技術総合研究所計量標準総合センター(NMIJ)にございます。
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Q うるう秒にマイナス補正はありますか?
うるう秒にマイナス補正、つまり1秒抜くということが実際におこなわれる可能性はあるのでしょうか?

 うるう秒は、原子の刻む時刻(原子時)と地球回転から求まる世界時との差が0.9秒を超えないようにする措置です。従って、 地球回転が原子時に対して遅くなっているときは、うるう秒は挿入(プラス)されますが、地球回転が速くなるときは削除(マイナス) されます。
 協定世界時とうるう秒の図
 今後の地球回転の予想については、現段階では何とも申し上げられませんが、うるう秒のシステム上は挿入・削除の両方があります。