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標準電波(電波時計)の運用状況

標準電波(電波時計)の運用状況

標準電波の出し方について


■標準電波について
 標準電波JJYは、時間と周波数の標準、並びに協定世界時(UTC)に基づく日本標準時(JST)を広く国の内外にお知らせするために、情報通信研究機構で運用している電波です。長波帯のJJYでは、時刻に関する情報としてタイムコードを送信しております。
 送信する時間、周波数の標準と標準時の信号は、当所の維持する国家標準により常に高い精度に保たれています。
 国家標準としては、セシウムビーム型原子周波数標準器をはじめ、水素メーザ型や実用セシウムビーム型原子時計群が用いられ、得られる正確さは 1×10-13 の桁に達し、さらに人工衛星などを使った国際時刻比較により、常に国際標準との同期及び諸外国の標準との関係も確かめられております。
 このように正確な信号を送信しておりますが、受信される電波は電離層の影響などで精度が低下します。電離層の影響を受けにくい長波の標準電波では、24時間の周波数比較平均値で 1×10-11 の精度を得ることができます。
 以下に局の諸元及び送信方法を述べますが、利用方法など標準電波の詳細については連絡先へお問い合わせ下さい。

2004年4月現在

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■標準周波数局の諸元

呼 出 符 号 JJY(標準周波数局)
送 信 所 おおたかどや山標準電波送信所
(福島県田村市都路町)
はがね山標準電波送信所
(佐賀県佐賀市 富士町)
緯   度
経   度
37°22´ N
140°51´ E
33°28´ N
130°11´ E
アンテナ型式 傘型250m高 傘型200m高
空中線電力 50kW
(実効輻射電力10kW)
電 波 型 式 A1B
運 用 時 間 常時
標準
周波数
搬送波 40 kHz 60 kHz
変調波 1 Hz (秒信号)
変調波の
振幅
最大100%,最小10%
(呼出符号送信時を除く)
標 準 時 JST: 協定世界時(UTC)を9時間進めたもの
秒信号の送信時間 常 時
周波数と時間
間隔の正確さ
± 1 × 10-12
秒信号の形式 0.2 , 0.5 , 0.8 秒のマーク
DUT1信号 な し
備 考 1999(平成11年)6.10 開局 2001(平成13年)10.01 開局

時刻調整(うるう秒調整)
 お知らせする標準時と地球自転時(UT1)との差を±0.9秒以内に保つため、月始め(1日)の9時0分(日本標準時)の直前に1秒のステップ調整を行うことがあります。ただし、調整日は特別の事情のない限り1月1日及び7月1日を第1優先日とし、4月1日及び10月1日を第2優先日としております。なお、この調整が行われるときは、事前に官報等で公表します。

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■長波JJY送信方法

1 タイムコード体系
 (1)通常時(毎時15分、45分以外)のタイムコード
 (2)呼び出し符号送出時(毎時15分、45分)のタイムコード

2 タイムコードの定義
 (1)タイムコード情報
  時、分、通算日、年(西暦下2桁)、曜日、うるう秒情報、時と分に対応するパリティ、予備ビット、停波予告情報。
  時、分、通算日、年(西暦下2桁)、曜日に関しては2進数(BCD(Binary Coded Decimal Notation:2進化10進法)正論理)で表します。

 (2)秒信号
 秒はパルス信号の立ち上がりとし、パルスの立ち上がりの55%値(10%値と100%値の中央)が標準時の1秒信号に同期します。

 (3)パルス幅の定義
 マーカー(M)及びポジションマーカー(P0〜P5) パルス幅 0.2s ±5ms
 2進の0   パルス幅 0.8s ±5ms
 2進の1   パルス幅 0.5s ±5ms

 (4)送出間隔
 1周期60秒(60ビット)の繰り返しで送出されます。

 (5)タイムコードの基準時刻
 1周期の先頭マーカー(M)の時刻(年、通算日、時、分)を符号化して送信します。

 (6)マーカー(M)の位置
 マーカー(M)は、正分(毎分0秒)の立ち上がりに対応します。

 (7)ポジションマーカー(P0〜P5)の位置
 ポジションマーカーP0は、通常(非うるう秒時)は59秒の立ち上がりに対応します。
 ただし、うるう秒時は、
  正のうるう秒時(挿入)では、60秒の立ち上がり(このとき59秒は2進の0とする)に対応します。
  負のうるう秒時(削除)では、58秒の立ち上がりに対応します。
 ポジションマーカーP1〜P5は、それぞれ、9秒、19秒、29秒、39秒、49秒の立ち上がりに対応します。

 (8)各情報の意味

  (a)時(6ビット:20h,10h,8h,4h,2h,1h)
 24時間制日本標準時の時を表します。
 20h,10h:10時台のBCDの値
 8h,4h,2h,1h:1時台のBCDの値

  (b)分(7ビット:40m,20m,10m,8m,4m,2m,1m)
 日本標準時の分を表す。
 40m,20m,10m:10分台のBCDの値
 8m,4m,2m,1m:1分台のBCDの値

  (c)通算日(10ビット:200d,100d,80d,40d,20d,10d,8d,4d,2d,1d)
 1月1日を1とした通算の日を表します。従って、12月31日はうるう年以外の年は365、うるう年の場合は366と表されます。
 200d,100d :100日台のBCDの値
 80d,40d,20d,10d:10日台のBCDの値
 8d,4d,2d,1d:1日台のBCDの値

  (d)年(8ビット:80y,40y,20y,10y,8y,4y,2y,1y)
 西暦年の下2桁を表します。
 80y,40y,20y,10y:10年台のBCDの値
 8y,4y,2y,1y:1年台のBCDの値

  (e)曜日(3ビット:4w,2w,1w)
 日曜〜土曜を0〜6に割り当てた値を表します。

4w 2w 1w 曜日
日曜日
月曜日
火曜日
水曜日
木曜日
金曜日
土曜日

  (f)うるう秒情報(2ビット:LS1,LS2)
 うるう秒は日本時間で実施月の1日9時の直前に行われます。うるう秒情報は、実施される前月2日9時0分より、実施月の1日8時59分まで、継続して表示されます。
 情報の表示は次のとおりです。

うるう秒情報 意味
LS1 LS2
一ヶ月以内にうるう秒なし
一ヶ月以内に正のうるう秒(挿入)あり
一ヶ月以内に負のうるう秒(削除)あり

  (g)パリティ(2ビット:PA1,PA2)
 時と分に対応し、それぞれ1ビットの偶数パリティを表します。
  PA1 = (20h+10h+8h+4h+2h+1h) mod 2
  PA2 = (40m+20m+10m+8m+4m+2m+1m) mod 2
  ( mod 2 は2で割ったあまりを示します。)

  (h)予備ビット(2ビット:SU1,SU2)
 将来の拡張性のための予備ビットです。SU1とSU2を夏時間情報として意味を持たせるときの例は、次のとおりである。

SU1 SU2 意味
6日以内に夏時間への変更なし
6日以内に夏時間への変更あり
夏時間実施中(6日以内に夏時間から通常時間への変更なし)
6日以内に夏時間終了

  (i)停波予告ビット(6ビット:ST1,ST2,ST3,ST4,ST5,ST6)
 保守作業等で標準電波の停波が予定されるときは、以下のとおり停波予告ビットの情報で内容を表示します。
 ・停波開始予告(ST1,ST2,ST3)

ST1 ST2 ST3 意味
停波予定なし
7日以内に停波
3−6日以内に停波
2日以内に停波
24時間以内に停波
12時間以内に停波
2時間以内に停波

 ・停波期間予告(ST4,ST5,ST6)

状態情報 ST4 意味
昼間のみ
終日、又は停波予定なし
期間情報 ST5 ST6 意味
停波予定なし
7日以上、又は期間不明
2−6日以内
2日未満

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